私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「穂希さん、まだ仕事があるのでは」
「もう五時だし、仕事はキリを付けて来た。私は一緒でもどちらでもいい」
一鈴はコスモを見る。
「二人で帰りなよ。私は今、気分がいい。そのへんをぶらっとしてから帰りたいんだ」
コスモは笑顔を浮かべて言った。
「馬に蹴られたい人なんていないわよねえ」
莉衣沙が続ける。
「一緒に帰るしかない空気だな」
穂希は無表情のままだ。一鈴はしょんぼりと彼の隣に寄った。
タクシーの後部座席に二人で座り、一鈴は居心地悪く窓の外を見た。
「一鈴さん。なにか知っているなら教えてほしい」
「穂希さんの部下の女性がホームに転落したと聞きました」
「あの病院に運ばれた。軽いケガで済んだ。それを誰から?」
「和久保さん……メイドから聞きました」
「もうメイドに話が? 早過ぎる」
穂希は顔をしかめた。
「和久保さんは誰から聞いたんでしょう」
メイド同士で噂がまわる、とは言っていたが。
「最近の呪いは以前より攻撃的だ」
「誰かがやってるんですよ」
「……さっき、一瞬だが君を疑ってしまった」
穂希に言われ、一鈴はうつむいた。さすがに笑えない。
「だが、君のはずがない。君が現れる前から呪いはあったし、財産狙いだと仮定した場合、延長の申し出を断った君がそれをする合理性がない」
一鈴は顔がゆがみそうになるのをこらえて、へらっと笑った。
「私も、私を疑ったことありますよ。生霊かなって」
「傷付けたならすまない。俺は君を信じると言いたかったんだ」
穂希は疲れたように微笑して、一鈴は顔をゆがめてうつむいた。
「もう五時だし、仕事はキリを付けて来た。私は一緒でもどちらでもいい」
一鈴はコスモを見る。
「二人で帰りなよ。私は今、気分がいい。そのへんをぶらっとしてから帰りたいんだ」
コスモは笑顔を浮かべて言った。
「馬に蹴られたい人なんていないわよねえ」
莉衣沙が続ける。
「一緒に帰るしかない空気だな」
穂希は無表情のままだ。一鈴はしょんぼりと彼の隣に寄った。
タクシーの後部座席に二人で座り、一鈴は居心地悪く窓の外を見た。
「一鈴さん。なにか知っているなら教えてほしい」
「穂希さんの部下の女性がホームに転落したと聞きました」
「あの病院に運ばれた。軽いケガで済んだ。それを誰から?」
「和久保さん……メイドから聞きました」
「もうメイドに話が? 早過ぎる」
穂希は顔をしかめた。
「和久保さんは誰から聞いたんでしょう」
メイド同士で噂がまわる、とは言っていたが。
「最近の呪いは以前より攻撃的だ」
「誰かがやってるんですよ」
「……さっき、一瞬だが君を疑ってしまった」
穂希に言われ、一鈴はうつむいた。さすがに笑えない。
「だが、君のはずがない。君が現れる前から呪いはあったし、財産狙いだと仮定した場合、延長の申し出を断った君がそれをする合理性がない」
一鈴は顔がゆがみそうになるのをこらえて、へらっと笑った。
「私も、私を疑ったことありますよ。生霊かなって」
「傷付けたならすまない。俺は君を信じると言いたかったんだ」
穂希は疲れたように微笑して、一鈴は顔をゆがめてうつむいた。