私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「とにかく、女性を不幸にしたくないから結婚したくないと」
動機だけなら優しい理由だ。
「一番の被害者が爽歌だ。俺に同情してずっと友達でいてくれた。滑り台から落ちたのも彼女だ。ケガを何度もして、一歩間違ったら死んでいた」
黒髪の着物のはかなげな美人を思い出す。彼女なら彼の隣に並んでもお似合いだ。
「なのにバレンタインにはチョコをくれて」
「バレンタインって」
「男には重大なイベントなんだ! 家族以外からチョコをもらえるかどうかで思春期の男のヒエラルキーが決まるんだぞ」
一鈴は懸命に笑いをこらえた。
「もう結婚したらいいじゃないですか」
「彼女は大切なんだ。呪いに巻き込めない」
穂希は悲し気にうつむいた。
どきっとした。イケメンが物憂げにうつむくと絵になるな、と思った。
彼はきっと彼女のことを好きなんだ。
税金なしで五千万。一カ月を無事に過ごして呪いはないと証明したら、彼は素直に爽歌さんと結婚するのではないか。彼女もその意志があるから婚約バトルに参加しているに違いない。
「わかりました。そもそも私に選択肢はないですよね。断ったらクビになるだけで」
「その通りだ」
ひどい御曹司だ、と一鈴は彼を見た。
「婚約者として名前で呼んでくれ。俺もそうする」
「五千万を払うって先に書いてください。日付と名前とはんこも押してくださいね」
「抜け目がないな」
穂希は紙を出して黄金のペンで書き、水晶の印鑑を押した。
これも開運グッズかな、彼になら百均の花瓶を開運の壺として高く売れそう、と思って笑いそうになる。
「別邸に部屋を用意した。メイドはやめてもらう」
「今までのお給料は」
「日割りで払う」
「生活費は五千万から天引きですか?」
「かかる費用は全部こちらで持つ。やってもらうことはいろいろあるからな」
やってもらうことって、と考えて、はた、と気が付く。
動機だけなら優しい理由だ。
「一番の被害者が爽歌だ。俺に同情してずっと友達でいてくれた。滑り台から落ちたのも彼女だ。ケガを何度もして、一歩間違ったら死んでいた」
黒髪の着物のはかなげな美人を思い出す。彼女なら彼の隣に並んでもお似合いだ。
「なのにバレンタインにはチョコをくれて」
「バレンタインって」
「男には重大なイベントなんだ! 家族以外からチョコをもらえるかどうかで思春期の男のヒエラルキーが決まるんだぞ」
一鈴は懸命に笑いをこらえた。
「もう結婚したらいいじゃないですか」
「彼女は大切なんだ。呪いに巻き込めない」
穂希は悲し気にうつむいた。
どきっとした。イケメンが物憂げにうつむくと絵になるな、と思った。
彼はきっと彼女のことを好きなんだ。
税金なしで五千万。一カ月を無事に過ごして呪いはないと証明したら、彼は素直に爽歌さんと結婚するのではないか。彼女もその意志があるから婚約バトルに参加しているに違いない。
「わかりました。そもそも私に選択肢はないですよね。断ったらクビになるだけで」
「その通りだ」
ひどい御曹司だ、と一鈴は彼を見た。
「婚約者として名前で呼んでくれ。俺もそうする」
「五千万を払うって先に書いてください。日付と名前とはんこも押してくださいね」
「抜け目がないな」
穂希は紙を出して黄金のペンで書き、水晶の印鑑を押した。
これも開運グッズかな、彼になら百均の花瓶を開運の壺として高く売れそう、と思って笑いそうになる。
「別邸に部屋を用意した。メイドはやめてもらう」
「今までのお給料は」
「日割りで払う」
「生活費は五千万から天引きですか?」
「かかる費用は全部こちらで持つ。やってもらうことはいろいろあるからな」
やってもらうことって、と考えて、はた、と気が付く。