女子高生日記

あの日から


あれから、一週間ぐらい経った。


相変わらず愛は、優にぞっこんで太刀打ちできない。

だけど根はいい子で、よくこの街の穴場スポットや派閥なんかも教えてくれた。



ぶりっ子だと最初は誤解していたけれど、言い換えれば人懐っこい子。



好きな人には猪突猛進タイプなだけで、危害を加えないんだろうと思う。



まぁ、直感でしか判断できてないけれどね。



そんでもって、親の方はというとーー相変わらずお母さんから連絡はない。



着信履歴なんか見ても、かけてきた様子はないしーーひつこく鳴り響くのは、潤の連絡先からの留守電話。



本当にあんな事をしといて、よくかまってくれるって思うその神経の図太さは、尊敬の念でしかない。



そんなことより何よりも悲しかったのは、お母さんからの連絡が一切ないこと。



本当は私のためを思って、毎日働いていたと思っていたのにーー本性は違ったことを思い知った。



ーー全ては潤の為に、汗水たらして働いてたってことね……。



せっかくのカミングアウトも、虚しく散ってこんな苦しい心情になるくらいなら、あのまま居座ったほうが良かったのかもしれない……。




暫く毛布にくるまって、薄暗い愛のいない部屋で、滝のように涙を流しているとノック音が。

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