女子高生日記

ドアの方に顔を向けると、困ったような優の顔がドアから覗く。


「霞ちゃん。……その、辛いのはわかるけれど……ちゃんと学校にはいかなきゃだめだよ。もう、一週間ぐらい行ってないでしょ?」



「今は……行く気分じゃない……」



布団をかぶって抵抗してみると、大きなため息が聞こえその瞬時に、毛布を剥ぎ取られる。



「約束したよね?自分達がやれることはやってからこの家に住んでいいって。愛がやれる事は「パパ活」で霞がやれる事は「学校に行く」でしょ?」



あまりに迫真な怒った顔に、押されてしまったが「だって、お母さんに捨てられた傷跡がまだ精神的にきて、耐えられないって感じだから……」と、しどろもどろ。




まだ心の状況が整わない私は、我が儘に見えるかもしれない。




でも、本当の親に信じてもらえなかった悲しい事実をどう昇華しろっていうのだろうか?



私はその方法を知らないからこそ、部屋に引きこもって考えないようにしてるのに……優は酷い。



「あのね……霞ちゃん。俺が言うのも何だけど……結局どんな人生になったとしても、悲しい事ってのは消えないし、たとえその苦しみから逃げたとしても一生心の傷となって大半の場合は消えることはないんだよ。消えないからこそ、その痛みを受け入れて次の行動に移して人ってのは生きてるの。分かる?」
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