家出少女の反抗
スネークのような、鋭い視線が私達を刺す。
毒牙を剥く、ヘビのようにギラギラと光るその笑み。
もう私の知っている優は、この人から破壊されているみたいだ。
震える愛の手を私は、一緒に重ねた。
バットを両手で包んでいた手を、私の手で再度重ねた。
「霞………」
不安そうな顔をした愛がこちらを見る。
「大丈夫……死ぬ時とか、捕まるときは一緒だから」
「やめて」と言いかけた愛を遮って、私はそう続けた。
「そんなに死にたいか……仕方ねぇ……殺してやるよ。俺が今すぐにな!!」
そういった瞬間、背後のポケットから黒い鉄製の物を取り出す。
それはーー紛れもない拳銃だった。
私は息を呑む。
愛を、私は瞬間的に押し倒していた。
銃口が私の顔に向けられる。
「パーンッ!!」という弾ける音を聞いた。
火薬の匂いに、熱い空気がこの空間を裂く。
でも、私は立っていた。
目を瞑っていながらも、私は立っていたのだ。
ゆっくりと目を開ける。
そこには倒れた愛と、足を手に掛けて悶絶している優の姿が。