家出少女の反抗
そう思った瞬間、顔から火がでるかのように火照った。
その瞬間を、愛は見逃さなかったみたいだ。
「やっぱり、怜音先生っていう王子様がやってきて変わったんじゃない?霞は!!」
「は……はぁっ!?どうしてそうなるの!?」
「だって、顔赤いじゃん!!ヘアアイロンしているだけなのに!!」
「だから、どうして怜音先生が好きって話前提なの!?別の人のことかもしれないでしょ!!」
「霞が同世代のバカ男子と付き合うっての想像できないからにきまってんじゃーん!!」
誰もを射止める、隙のない美少女的笑顔を作った愛。
憎い………。
こんなんだから、怒れなくなる……。
別に恋愛感情があるとか、そういう話ではなくて。
「ちょっと……二人とも……。五月蝿いよ。静かにして」
外のドアから叩かれたかと思ったら、早風さんが口を挟む。
まぁ、結構大きな声で話していたから怒られても仕方がない。
「あっ!!早っち!!ちょうどよかった!!入ってきてよ!!」
「ちょっとっ!!愛、静かにしてよ!!」
ごめんごめんと舌を出し、ウインクをした愛の様子など微塵も知らない早風さんが入ってきた。