蜜月溺愛心中
もう仕事が始まるというのに、清貴のことを考えてしまった。椿は謝り、慌ててバックヤードで着替えを済ませる。

バックヤードから出ると、客が数人コンビニにおり、商品を眺めているところだった。椿はレジの前に立ち、いつでも会計ができるように準備を済ませる。

レジの仕事が終わると、商品の補充や発注など様々な仕事が舞い込んでくる。しかし、もう何度もこなしてきた仕事だ。慣れた手つきでこなしていき、レジへと再び戻る。

ちょうどお昼時のためか、コンビニ内は人の出入りが多い。レジにも少し列ができている。

「お弁当が一点、お茶が一点、ゼリーが一点ですね。お弁当は温められますか?」

「はい。お願いします」

「かしこまりました。レジ袋はご利用になりますか?」

「いえ。エコバッグがあるので大丈夫です」

「かしこまりました。お弁当温めますので、少々お待ちください」

作業着を着た四十代と思われる男性が購入した唐揚げ弁当を、椿はレジのすぐ後ろにある電子レンジの中に入れて温める。二分ほど経った後、椿はレンジの中から弁当を取り出し、男性のエコバッグの中に入れた。
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