蜜月溺愛心中
清貴が訊ね、椿たちはパンフレットを覗き込む。遊園地は椿が想像していたよりもずっと広く、ドラマや映画では見たことのないアトラクションの名前がいくつも記載されている。

（ジェットコースターとかは聞いたことがあるけど、知らないアトラクションばっかり……）

そんなことを思いながらパンフレットを見ていると、菜月に「椿ちゃんは、どれに乗ってみたい？」と訊かれた。

「椿ちゃん、遊園地初めてなんだっけ。最初は刺激の少ないアトラクションの方がいいかもしれないね」

蘭がそう言うと、清貴が「刺激が少ないというと、コーヒーカップとかか？」と言う。椿が首を傾げていると、「あれだよ」と翔太が指を差す。その先には可愛らしいカップ型の乗り物がぐるぐると回っていた。

「わぁ……！楽しそうですね！」

笑顔でコーヒーカップを回している人たちを見て、椿の中に興味と好奇心が生まれていく。そんな彼女の顔を見て、清貴たちは「最初に乗るアトラクションは決まったな」と互いの顔を見合わせた。

しかし、そこに水を差すようにため息混じりの声が聞こえてくる。
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