クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)

どんまい、って。
俺の肩を叩いてどうすんだよ。

こいつも嫌味か?


悪くなる気分を抑えつつ、話を引き戻す。


「で、布瀬って、どんなやつ?」

「んー、ひとことで言うと、ゆいちゃんのナイト?」

「は?」



本気で意味のわからないフレーズに眉を寄せる。

なんだ、ナイトって。



「俺がひとつ印象に残ってる話があってさ、布瀬とゆいちゃん、中学が一緒なんだけど、あのふたりだけなんだよ」

「…だから?」


中学が一緒のやつらは普通にいる。
それがふたりだけってのは確かに珍しい方ではあるかもしれないが、そんなに印象に残るほどか?


あーなんて言ったらいいんだろう、と直江が腕を組む。



「えっと、ふたりの中学って隣の県でね? 俺らの高校って県内中学から来るやつがほぼ占めてるし、わざわざ県飛び越えて来るような有名校でもないじゃん? それに、同じ学年でふたりは知り合いってより一緒にいるのよく見かけるくらい仲良いしさ。放課後誘いにくる男子からゆいちゃんをナイトみたいに守ったりしてるし。な、これって、なんかあるだろ?」
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