クズなアイツが惚れたなら、(旧・プレイボーイが落ちるまで)
曖昧なままの境界線



*

*



「なぁ、おまえのクラス、布瀬ってやついるだろ。知ってるか?」



金曜の昼間、俺の横で学食のラーメンをすすっている直江に聞いてみれば、一拍も置かずに返答が返ってきた。



「知ってるもなにも、俺、部活一緒」

「マジか」

「マジ。なに、氷牙、布瀬と面識あったっけ?」

「いや、昨日、初めて喋った」



首を傾げる直江に簡単に経緯を説明すると、だんだん理解してきたのか、途中からお得意の面白がるような笑みを浮かべてくる。

だからこいつに話すのは嫌なんだ。

そう思いはするが、こいつ以外に話す相手が見つからないんだから文句は言えない。



「はははっ、氷牙がゆいちゃんに勉強教わってんの? しかも国語って……くっ、」

「うるせえな。いいだろうが」

「いいけど、いいけどさ。ゆいちゃん、大変だろうね」
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