KISSでチェンジ!
☆☆☆

「それから先のことは覚えてない」
 良明はそう言って頭を重そうに振った。

「青色……まさか、睡眠薬?」
 散らばっているクッキーを見て純は青ざめた。

 水に溶け出すと青くなる睡眠薬があると、昔ニュース番組で見たことがある。
だから女性がひとりでお酒を飲む時、男性から青いカクテルなどを出されたら注意しないといけないと。

「まさか、でも……」
 この状況を見るとクッキーに睡眠薬が混ぜられていたと考えても違和感はない。

良明を眠られてどうするつもりだったのかわからないが、とても重たくて運べなかったからずっとここにいたのだろう。

 純は青ざめたまま良明の体をくまなく確認した。
 なにか変なことをされていないか。
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