KISSでチェンジ!
 一番前の席に座って大あくびをしたくてもできなくなってしまった純は仏頂面で机に突っ伏した。

 純の方は多少はコミニュケーション能力があり、表情も豊かなので数人の新しい友人を作ることに成功していた。

 といってもみんなクラスでは地味な方で、趣味はゲームとか、読書とか。
派手に動き回るタイプの友人はひとりもいない。

 純自身がそんなに動き回るタイプではないので、類は友を呼んだ感じだ。
「ねぇねぇ、かっこいいよね!」

「ほんと、王子様だよね!」
 後方で女子たちがキャアキャア騒ぎ始めたのでまた良明が囲まれているのだろうと視線を向ける。

 しかし肝心な良明は席におらず、トイレにでも立っているようだ。
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