不倫日和~その先にあるもの……それは溺愛でした。
「また随分と急だが、菫花さんはそれで良いのか?」
「あっ……いえ、その……私は……」
言い淀む私を見た蒼紫さんが、真剣な瞳で私を見つめてくる。
「菫花を俺の側に置きたい」
蒼紫さんはそう言ってくれたが、菫花はゆっくりと自分の思いを口にした。
「蒼紫さん、私は紫門さんが紹介してくれた仕事を……うわっ……」
そこまで言うと、蒼紫さんが勢いよく私を抱き寄せ、腰をホールドした。
「父さんが紹介したから辞めたくない?」
蒼紫さんから冷たい空気と圧が放たれた。
「あの……」
「蒼紫、菫花さんを威圧するのはやめなさい。嫌われて振られるぞ」
社長の言葉を聞き、蒼紫さんが勢いよくこちらを見た。
「嫌だ。捨てないで菫花!」
まるで子供のような蒼紫さんの様子に、思わず笑ってしまう。