その手で結んで






『やっぱりバカなんじゃないの?普通こんなこと断るでしょ、聖人なのかバカなのか………』

また翔琉が文句いってる、悪かったって、だからもう少し寝かせてー

『変な寝顔。ねぇ、起きないの?寝てないで答えてよ舞白。…あの言葉忘れないでよね』

…………何かが頬に触れる、くすぐったい。

『舞白……………………』
心地のいい声が耳に残る。











目が覚めてその場で大きく背伸びした。
「おはよう」
と、隣で声がする。
横を向くと翔琉が無表情で舞白を見ていた。
かわいい寝癖がついてるがイケメン度は変わらないなんて、すごっ。
「…………お、おはよう」
と、反射的に挨拶をした。
なんで、翔琉が?まってこの状況謎なんだけどっ!!なんで同じベットで寝てるの?
何もないとはいえ一緒に寝るって大問題だぞ!何してるの私!?昨日は、確か………はっ!

「翔琉、風邪は!!」
と、起き上がって翔琉に詰め寄った
「近っ!よ、よくなったから……ほら」
翔琉はそういって舞白の手を自分の額に当てる
ほんとだ…………、あんなに熱かったのに。
「よかった…………」
ほっとするとまた眠たくなった。
「じゃあ、おやすみー」
「は、は??なんでここで寝るんだよ!ちょっと、聞いてる?」
そんな言葉も聞かず眠りについてしまった。





もう一度、目を覚ますとお昼近くになっていた。
今日が休日で良かったと心から思う。
翔琉はベットを独占した舞白に文句いいながらも許してくれる。
風邪を引いてるときとは可愛いげがあったけど、ツンツンしてるときが翔琉らしいように思う。それに前より話しやすくなったというか、仲良くなった気がする。

うんうん、よいぞよいぞ
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