【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
(うぅ、でもお野菜一つとっても、高価なものなのよね……。お願い、胃。受け付けて……!)

 心の中でそう思いながら、私は次にコーンスープに口をつけた。コーン特有の甘味が口いっぱいに広がって、とても美味しい。パンに浸しても、いいかもしれない。そう思いながら私がお料理を食べ進めていると、不意にギルバート様とばっちりと視線が合ってしまった。……何故、彼は私が食事をする光景を真剣に見ていらっしゃるのだろうか?

「あ、あの、見られると、食べ難いと言いますか……」
「あぁ、そうか。すまない」

 私の小さな抗議に、ギルバート様は納得してくださったのかすぐにご自身も食事を始められた。ギルバート様はさすがに男性と言うべきか、かなりの量を素早く食べていらっしゃった。私は、小さなパンを二つ食べたらお腹いっぱいだというのに。

(……うぅ、でもなんだかお腹が痛くなってきたかも……)

 だけど、お料理をある程度食べた後。私にはやはりと言うべきか、腹痛がやってきていた。高価なものを普段食べてないから、胃があまり受け付けなかったのだろう。いつもよりも量も控えたつもりだったのに……。

「……シェリル嬢?」

そんな私の異変に気が付かれたのか、ギルバート様が私の方に駆け寄ってきてくださる。でも、私はそんなギルバート様をさりげなく拒否した。さすがに「食材が高価すぎて胃が受け付けませんでした」なんて、恥ずかしくて言えやしない。……あ、私にはどうやら羞恥心はあったらしい。こんな時だけ、反応する羞恥心が。寝顔とかに関しては、何も思わなかったのに。

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