【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第25話 シェリルの病状
「んんっ」
「シェリル様!」

 私が次に目覚めたとき、私の周りには使用人たちがたくさんいた。彼女たちは私が目覚めたのを確認すると、慌ただしく動き始める。そんな様子を茫然と見つめながら、私はゆっくりと寝台から起き上がろうとした。

「シェリル様。お身体に障りますので、どうかそのままで……」

 しかし、起き上がろうとした私をクレアが止める。正直、身体が重苦しかったので私はそんなクレアの言葉に甘え、もう一度寝台に横になった。窓の外を見れば、空はオレンジ色に染まりつつあって。……私は、半日近く眠っていたということを知った。まだ、日付は変わっていないはずだ。

「……もうじき、旦那様とサイラスさんが来てくださいますので、少々お待ちくださいね。あと、勝手にリスター家のかかりつけのお医者様をお呼びしまして、体調を見ていただいたのですが……」
「……そう」

 クレアが申し訳なさそうな表情をする理由は、私の身体に許可なく触れたことについてだろう。でも、別に私の身体は見られて困るような身体ではない。そのため、私はそれだけの言葉を返し抗議などしなかった。……でも、お医者様がいらっしゃったということは、私が倒れた原因は分かったということよね?

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