きみのためならヴァンパイア
庭へ出ると、叔父が立ちはだかり、私にピストルを向ける。
すぐに撃ってきたが、躊躇や罪悪感でもあるのかーーとにかくその照準は定まっていない。
少し離れたところに当たって跳ねた弾は、実弾だ。
今の私はヴァンパイアだなんて、思ってもみないことだろう。
叔父が次の弾を撃ったとき、少しだけかわし損ねた。
紙の束に弾がかすり、焦げたような跡がつく。
「ーーお前っ……それ、どうやって……!」
そこでやっと紙の束の正体に気がついたのか、叔父がひどく焦りはじめた。
一族代々伝わる大切な宝物を私が雑に持っていることはもちろんだが、それに叔父自身が傷をつけてしまったことがまずいと思ったのだろう。
……けど、そこについては安心してほしい。
叔父のつけた傷跡なんて、きっともう誰も気にしない。
「こんなものがあるから、いけないんだよ」