この青空に、君と生きる未来を誓う。
誕生日の意味
彼方くんの誕生日当日。
朝から気持ちのいい青空が広がっている。
鞄の中には昨日の夜頑張って作った手作りケーキが入っている。
彼方くんのイメージ的に、チョコレートケーキって感じではないかなって思ったから、さっぱりしたチーズケーキを作ってみた。
喜んでくれるといいな。
昼休み、屋上へ行くと、彼方くんは先に来ていた。
「お待たせ」
「おう」
「今日は彼方くんに渡したいものがあるの」
「渡したいもの?」
「うん。はい、誕生日おめでとう」
そう言いながら、後ろ手に持っていたケーキの入った箱を差し出した。
「……これ……」
彼方くんがかなり驚いたような表情でつぶやいた。
「誕生日プレゼントだよ。開けてみて」
私の言葉に、彼方くんが箱を開けた。
でも、中を見つめたまま無言になってしまった。
「もしかして、ケーキ嫌いだった?」
不安に思って訊いてみると、
「いや、そうじゃないけど……」
何かを言い淀んでいる様子の彼方くん。