この青空に、君と生きる未来を誓う。

「……そろそろ限界かも」

彼方くんが独りごとのように小さな声でつぶやいた。

「え?」

意味がよくわからなくて訊き返したら、

「なんでもない。おやすみ」

そう言ってつないでいた手をそっと離して、彼方くんが歩き始めた。

後ろ姿を見つめていたら、彼方くんが振り返って手を振ってくれた。

私も笑顔で手を振り返す。

あんなに強く会いたいと思ったのは初めてで。

私にも誰かをこんなに強く想う気持ちと行動力があるなんて、自分でも驚いた。

でも、今日彼方くんに会って、本当に良かったと思う。

これからまた大変なことがあるかもしれないけど、きっと大丈夫。

ふたりで一緒に乗り越えていける。

そんな前向きな気持ちになれたから。
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