この青空に、君と生きる未来を誓う。

ふたりきりの夜



翌日には学校に取材が来ることもなく、騒ぎは少し落ち着いた。

彼方くんの家にも記者が押しかけてくるようなことはなかったみたい。

でも、彼方くんのお母さんは、日向くんのお父さんと弁護士を通して話し合いをしているらしい。

落ち着くまでには数ヶ月かかるかもしれないとのことだった。

そんな中、彼方くんは専門学校の合格が決まった。

気がつけば2月に突入して、卒業まであと約1か月。

学校は卒業式の練習以外ほとんど休みの状態。

私は家でのんびり過ごしたり、陽依ちゃんと映画を見たり買い物に行ったりして、残り少ない高校生活を過ごしている。

彼方くんは、進路が決まった後も相変わらずバイトに明け暮れている。

だからほとんど会っていないし、デートらしいデートもしてない。

寂しくないと言えばもちろんウソになるけど、今はお家のことも色々大変だし、落ち着くまでの辛抱だと思ってる。

そんな2月のある日。

私は陽依ちゃんとふたりで都内のデパートに出かけた。
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