この青空に、君と生きる未来を誓う。
「あ、このラッピングセット可愛い」
「ホント、可愛いね」
今私たちが見ているのは、プレゼント用のラッピングコーナー。
バレンタインまであと少しだから、そのための準備として買い物に来たんだ。
店内はバレンタイン特設コーナーが作られていて、たくさんの女の子たちで賑わっている。
片思いでも両思いでも、バレンタインは恋する女の子の一大イベント。
どれにしようか悩むのも、また楽しかったりする。
いっぱい悩んで買い物を終えると、私たちはカフェに入った。
ふたりでケーキセットを頼んで、ティータイム。
「陽依ちゃんもチョコあげるの?」
「うん、霧谷くんに」
「……霧谷くん?」
思いがけない名前に驚いて、思わず訊き返してしまった。
「優羽ちゃんのこと好きなのはわかってるけど、最後に気持ちだけは伝えようかなって思って」
そう言った陽依ちゃんの瞳は穏やかだった。
「……そっか」
「卒業前に、ちゃんとけじめつけたいんだ」
まっすぐ顔を上げて言った陽依ちゃんは、前より強くなったような気がする。