この青空に、君と生きる未来を誓う。
第2章

夏休みのはじまり


耳元で波の音が聴こえる。

真っ青な空に、眩しい陽射し。

吹いて来る風は、潮の香りがする。

日の光を浴びて、海の水面がキラキラ光ってる。

私は、大好きな人と砂浜を歩いてる。

つないでくれた手があたたかい。

顔を上げると、大好きな人が最高の笑顔を見せてくれた。

その瞬間、私は幸せな気持ちでいっぱいになった。

ふと気がついて目に映ったのは、日向くんの笑顔じゃなくて、自分の部屋の景色だった。

……夢だったんだ。

でも、夢とは思えないほどリアルだった。

つないだ手のぬくもりも、日向くんの笑顔も、笑顔を見た瞬間の胸の高鳴りも。

私はベッドに腰掛けて、夢の余韻に浸っていた。

窓から夏の強い陽射しが差し込んできている。

外では、夏の始まりを告げるように、セミがせわしなく鳴いている。

今日から、夏休み。

待ちに待った楽しい夏休みの始まりと言いたいところだけど、今年は受験生だからそんなに遊んでもいられない。
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