この青空に、君と生きる未来を誓う。

波乱の予感と不安


「うわぁ~大学って広いんだね~」

陽依ちゃんが、はしゃいだ声をあげた。

8月最初の土曜日。

今日は、陽依ちゃんと一緒に清風女子大のオープンキャンパスに来ている。

清風女子大は、歴史のあるお嬢様学校として有名な大学。

荘厳な正門から続く桜並木を抜けて見えたのは、大きくてモダンな建物。

歴史のある学校だけど、一番大きな校舎は去年建て替えたばかりで、近代的なデザインでとても綺麗。

「説明会の会場、この校舎の中だって」

校舎の入り口に看板が立っていて、私たちと同じく制服を着た子達が次々中に入っている。

「ホントに女の子しかいないんだね」

陽依ちゃんがしみじみとつぶやいた。

「不思議な感じだよね」

私たちにとって、女子校はまさに未知の世界。

中に入るとすぐに受付があって、パンフレットや学校の資料を配っている。

それをもらうと、私たちは空いている席に着いた。

説明会が始まるまでの間、配られた資料の中から授業の科目と講義内容が書かれた本を見てみることにした。
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