先輩と後輩の関係。
必死に鏡の前で直していると、呑気にやってきて後ろから抱きついてきた。
『怒っていい?』
と、鏡越しに聞くと目も合わせず首にキスをしてきた。
ごめんねのキスなの?それともふざけてるの。
この人の事だからわからなすぎて、許すにも許せなかった。
『ごめんねって言って』
「可愛くて我慢できなかった、ごめんな」
『本当に思ってんの』
「めっちゃ怒ってる」
『早くしないとまじで遅刻する。全部舜のせい!』
「最後にちゅしよ」
『やだ、もう無理!』
キスしたいのは山々だけど、また止まらなくなるし…寂しくなるし、私は断って玄関を出た。
まじで遅刻しそう。
いつもの家を出る時間よりも10分くらい遅れていた。
遅刻したら全部舜くんのせいなんだから。
私は舜くんを構うことなく、駅まで歩いて来たけど気づいたらもういなかった。
電車に乗った後、少し後悔した。
このまま、舜くんが事故に遭ったらどうしよう。
前みたいに会えなくなったらどうしよう。
変なことばかり、頭に浮かんで…どうすればいいかわからず電車の中でLINEした。
『夜、電話する』
と、送ると敬礼してるおじさんスタンプが送られてきた。