優しい犯罪




「学校で友達と殴り合いの喧嘩をしたんです。それでできました」


「喧嘩ね…。友達と殴りあえるなんて、良い友達じゃないか。青春だよ」



見つけた答えはこれだった。

学校にも行ったことはないし、友達と殴り合いの喧嘩をするのかも知らないけど、こう答えたら警察たちは私を疑うことなく、反対に感心された。




「一応聞いておくけど、嘘はついてないね?虐待されてるとかなら、今言うんだよ。誰も家に居ない間に、助けてって言ってくれたら、僕たちがすぐに保護してあげるから」



それは私があの家に居るときに言ってほしかった言葉。



今思えば来てくれるはずもない空振りの願望だったけど、切実に願っていた。


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