優しい犯罪




「そうか。分かったよ。じゃあここには、また準備を整えて来るから。ありがとうございました」





二人とも、帽子の鍔(つば)に手を添えて軽くお辞儀をしたのを真似して、私も軽くお辞儀をした。



背中を向けて帰っていくのを見届けて、私も扉を閉めてリビングに戻る。





リビングにはつけっぱなしのテレビから、飛び跳ねたくなるような曲がまだ流れていたけど、今は飛び跳ねる気分にはならない。


ズーンと重い空気で、楽しい雰囲気ではない感じ。



あんな人たちに保護されても、また逃げ出してここに戻って来るだろうなと思った。



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