優しい犯罪




「ほんなら、今度はこっちが喋る番や。あんたらが平岡家に入ってくれたおかげで、大人数の警察官があの家に行かされたんや。大企業の社長さんやからな。あの家自体は普通すぎるくらいで、何も怪しいことはなかったけど、一つだけ疑問に思うことがあってな。何を盗られたか聞いても濁されるんや。これの何が怪しいか分かるか?」


「…自分の家なら、どこに何があるか分かるのに。とかですか?」


「おぉ、さすが犯罪者やな。正解や」




独特な褒め方に苦笑いをして頭を下げると、俺の相槌も入れないほど饒舌になり始めた。


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