貴方とは、もう御免。
結婚式を前日に控えた今日、
莉緒が私達だけの娘で居てくれる最後の日として
帰省していた。

3人で食卓を囲むのも今日が最後。
最後くらいと言う気持ちが私にも、
そして夫にもあったのか
何年ぶりだろう…と言うくらいに
私達2人も楽しく会話が出来たし
莉緒も終始楽しそうにしていた……のだけど

「もし結婚前に戻れるなら、パパとママはもう一度結婚する?」

莉緒が突然真剣な顔で私達に問いかけてきた。
突拍子もない突然の質問に
タジタジとして何も返せないでいる
私たちに畳み掛けるように

「それはないよね。ごめんね。でもパパとママの娘に生まれてこれた事とても幸せだった!2人共大好き!ありがとう。明日はよろしくね。」

と莉緒が言った。

娘の晴れ舞台に嫌な記憶を残して欲しくなくて
離婚の事は一切伝えていないけど
きっと何か感じ取らせてしまっていたのかな。

つくづく酷い親だ。
莉緒は良い子。強い子。素敵な子。
きっと誰よりも幸せになれる。

私達夫婦にも幸せな日々は確かにあったのにね。
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