イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない

◆大切な彼女〜慧side〜



 真っ青だった空が、燃えるようなオレンジ色に染まる頃。


 我が家での勉強会はお開きとなり、俺はマンションの外まで皆を見送ったあと、部屋に戻ってきた。


 少し前までここに6人もの人がいたなんて嘘なんじゃないかと思うほど、部屋はシンとしている。


 最初は気が進まなかったけど、クラスメイトを家に呼んだのは小学生以来だったから。


 なんだかんだ、久しぶりに楽しかった。


 同年代のヤツと一緒に勉強をするのも、たまには良いもんだな。


 依茉にも『慧くん』って呼んでもらえたし。


 みんなが使ったコップをキッチンのシンクで洗いながら、俺はひとり微笑む。


 俺がしばらく洗い物をしていると、ズボンのポケットに入れたままのスマホが振動した。


 誰からだろうと、ロック画面に表示された名前を見て俺は眉をひそめる。


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