イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


 すると慧くんの顔が近づき、わたしの唇の端をペロッと舐める。


「ひゃ……なっ、なに……!?」

「依茉の口に、ご飯粒がついてたから」


 ご、ご飯粒。はっ、恥ずかしい……!


 彼の言葉に、赤面するわたし。


「ははっ。すぐ顔が赤くなっちゃって。依茉ってば、ほんとに可愛いよなぁ」


 互いの鼻先が触れそうなくらい、慧くんの整った顔が間近にある。


「もう。慧くん、近すぎる。少し離れて」

「えー? やーだ」


 そう言うと慧くんの唇がわたしの唇にチュッと触れ、啄むようなキスをされる。


「依茉、足りない。もっと……」


 慧くんと繰り返し唇が合わさり、キスは次第に深くなっていく。


 ちょっと照れくさいときもあるけれど。


 慧くんとのこの時間は、何だかんだいってすごく幸せで。


 ずっと続いて欲しいって思う。


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