α様は毒甘な恋がしたい
きつく締め付けられている痛みが、背中に走ったころ。
「ひゃっ!」
エレベーターの床が、グワンと波打つように跳ねた。
その後、三秒ほど襲われた激しい横揺れ。
これで終わりであってほしかったのに、エレベーターの暴走は止まらなくて。
私たちが乗ったまま箱が急降下。
猛烈なスピードで下がったかと思ったら、こんどはいきなりの急停止で。
微動だにしないほどのピタリで。
私たちは飛ばされそうになりながらも堪え、平穏状態に戻ったけれど……
今のは、なんだったの?
不気味な闇に迷い込んだような得体のしれない恐怖が、私のキモを冷やしてくる。
「美心、ケガはないか?」
「怖かったですよね? 巻き込んでしまい、申し訳ありませんでした」