絶対叶えちゃいけない恋

6月ー運動会ー

ついに運動会当日。
あれから私はなんとなく佐々木くんを避けてしまっている。
リレーの実況は大成功!
先生にも褒められて、来年もぜひ放送委員へって頼まれちゃった。
そして、クラス対抗大縄跳び。待機してるときに佐々木くんに頑張ろうねと声をかけられて戸惑ってしまう私がいた。
結果は2組は2位。どうせなら1位が良かったな〜

そしてお昼休憩。今の席は端っこで、隣は不登校だからぼっちでお昼を食べる。食べ終わってなんとなく暇をしていたとき、佐々木くんがカレンダーを見に来た。そして、
「そういえばさーみどりの日ってなんでみどりなの?だってさ、べつに赤でも青でもよくない?」
なんて聞いてくる。そんなの私だって知らない。
興味もないもん。でも話しかけられて嬉しい気持ちがある。
決めた。
どんな過去があろうとも、私は今の佐々木くんと関わっていこう。

午後の部は2組は絶好調でリレーで1位が取れた!
総合成績は4位。表彰台には乗れない。悔しい気持ちはみんな同じようだった。

6月12日ー佐々木想太の誕生日ー
朝、6時にアラームが鳴って目を覚ました。
今日は佐々木くんの誕生日。
LINEをしたいんだけど…朝早すぎてもあれだしとりあえず7時くらいに送ってみよう。
先に文章を考えておこうと思ったけれど思いつかず、簡単に誕生日おめでとうとスタンプを送ることにした。

7:00
文章を送って5秒後くらいに既読がついた。
佐々木くんは何と言っても既読が早いこと。
すぐに返信が来た。
「覚えててくれて嬉しい!ありがとう。」
嬉しいって言葉をLINEで友達からも送られたことがなく、素直に送れるのがいいなと感じた。

今日はすずちゃんは日直だから先にいくみたい。
だから一人登校をしないといけない。
まだそこまで真夏じゃないのに学校までで汗だくになる(;・∀・)
やっと教室近くの廊下まで来て、曲がろうとしたところで佐々木くんとすれ違った。
「おはょぉぅ」
語尾がすぼむような形で挨拶をしながら手を振ってくれた。
突然のことにびっくりした私は手しか振れなかった。
意外と初めてかもしれない。佐々木くんと挨拶を交わしたのは。
一応持ってきていた、手作りのチャームは渡せなかった。だから私の誕生日のときにプレゼントを貰ってすぐに渡そうと思う。

6月14日ーつぐみの誕生日ー
今日は私の誕生日!
雪ちゃんからは5時半にLINEが来てたヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
やっぱりさいっこうの心友!!
そして7時に佐々木くんからLINE
「お誕生日おめでとう🎉13歳一緒だね!」
「プレゼントいつがいい?部活?学校?タイミングいいときに渡すよ!」
って。嬉しい(*´ェ`*)ポッ
すずちゃんはメッセージカードで来てた!

学校に着いて、みんなからお誕生日おめでとうって言ってもらえるのが嬉しい!
あっという間に時間はすぎて、帰り学活。
まだ佐々木くんからプレゼントは貰ってないから、部活のときかななんて考えながら、さようならをした。
そしたらすごい勢いで何かが来たと思ったら佐々木くん?!
「誕生日おめでとう。」
って言ってプレゼントを渡してすぐに行こうとしちゃうからめっちゃ慌てて
「まってまってまってー!」
って言っちゃった(*ノω・*)テヘ
その時佐々木くんはフッと笑った。
そして、心を込めて作ったチャームを渡す…ときに手が触れちゃった!

部活のときも別に何も話さず1日がおわる。
なのに家に帰るとLINEが来ていて、
「これって手作り?めっちゃ綺麗!大事にするね」
って。私も開けてみると、めちゃくちゃ可愛いふわろんが!
佐々木くん、すっごい絵が上手。
私はっ…
嫌な過去が思い出される。

あれは幼稚園の頃。
私は絵を描くことが大好きで、よく自由帳にお絵かきをしていた。
そんなある日、後ろから男の子が覗いてきて言ったのだ。
「なにそれー!変な絵〜」
私はそれを言われた途端、パタン。と自由帳を閉じた。
それ以来、絵を描こうと思ったことは一度もない。むしろ絵を描くことが嫌いになってしまったから。
これが私が男子が苦手になった理由の一つだ。
だけど大元はもっと違うところにある。

疲れた。もう寝よう。
パチッ…
スースー💤

1学期期末テスト💮

もうすぐ1学期期末テストだ。
私のお父さんはものすごく厳しいから高得点を目指さないといけない。
初めてのテストだから不安だけどお兄ちゃんに教えてもらえば大丈夫かな…?
私のお兄ちゃん、長谷川瑛人は大学生。
まあまあ頭のいい大学に行っている。
しかも優しいから最&高!
テスト前勉強頑張ろっ。

それから約1週間勉強を頑張り、テスト当日!
解答欄をミスって時間がなくなったりして最悪ー!
でも音楽はやっぱりうまくいった気がする。
あとは結果を期待するのみ!
そしてテスト後は提出物を出すんだけど…
提出物一覧に書いてないのをみんなが出してる気がするんだよね。。。
ああっーー!
すずちゃんと佐々木くんが二人で話してる?!
やだー!
何話してるのかな?
こっそり聞き耳を立てるとこの提出物の話をしてるみたい。
耐えられない!
「すずちゃーん!この提出物って紙に書いてあったっけ?なかったよね。」
と言いにいくと、なぜか佐々木くんが反応して
「書いてなかった。長谷川さんある?」
すずちゃんは
「つぐみんならありそ〜。私なくしたかもしれない…」
もちろんある。けどかわいこぶって「わかんない〜」と言う。
そしたら二人そろって
「わかんないのが一番やばい」
って言ってきた。
とりあえずみんな探すことにした。私はやっぱりある。すずちゃんは…めっちゃキラキラした目て見てくるからあったんだね。
佐々木くんはなさげ?
テスト期間だから入学式と同じで席は斜め前。
帰り学活中も探してるけどあっ…あったっぽい?
そしたら佐々木くんはこっちを向いてめっちゃ可愛いスマイルをしてきた♡
まじやばい破壊力抜群、尊死しそう。
テスト期間なのに会話できるとか最高だ!
テストの結果もうまくいきますようにー!

テスト返し〜結果は…?!〜
ななななななななななんと!
この長谷川つぐみやりました!
初めての定期テスト返されて100点2枚!
音楽と美術です!
でも、美術は絵をうまく描くこと諦めてるから成績で5はつかないだろうな。
9教科合計805点で学年トップ10に入れた!
やったね!
佐々木くんの方をちらっと見る。
絶望感に溢れてる気がする…
勉強苦手なのかなぁ?
そんななか、
「えー、うちヤバ!?合計300点なんだけど〜」
と自分で点数暴露するお馬鹿さん。
この子は桜庭 奈々ちゃん。
小学校が同じで1年生の頃
「私のランドセルのしたくをやっておきなさい!」
と命令されてすずちゃんとふたりで毎日のようにやらされたり、
「算数の宿題のプリントの答え、私のために薄く全部解いときなさい!」
と言って解いてあげたりと散々こき使われたのだ。(女王様気質?)
でも最近はただ単に全てだるがってる一軍女子になっている。
でも300点はやばくないか?
1教科33点くらい?は?
私の最低点数は体育で75点だぞ?、
私は体育も実技が無理だからテストで頑張ってもどうせ成績は3しかつかないから諦めてる。
すずちゃんも私と同じで成績優秀な方だったけど、トップ10には入れなかったみたい。
ちょっと気まずい…

そして、テストが終わった後も佐々木くんは毎日のように休み時間私のところに来て何かしら話しに来る。
「長谷川さんってさーダンスやってるの?」
えっ?なんで知ってるんだっけ…
あっ…!LINEのステータスメッセージに書いちゃってたかも。
「俺もやってるんだけどさーなにダンス?」
「あっ…6年生までやってたけどもうやめちゃったんだよね。ジャズダンスだったよ」
「あー…俺はヒップホップ。」
ダンスはジャンルが違うと結構違うからそれ以上に共感できることはなくこの話は終わった。
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