腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


「そうだな」

「しかもこれ、ほぼ無理やりじゃないか。和歌のお母さんまで味方につけて……」


 尚人は「ハア」と盛大にため息を吐いた後、「和歌……」と言いながら泣き出してしまった。


「おい、早くサインしろよ。紙濡らすんじゃねぇぞ」


 傷心中の人間に心無い言葉を吐く俺。さすがの尚人も「アンタ鬼かよ!」とツッコみを入れた。


 そんな俺達の元にぶーちゃんがやってきた。


 案の定、分かりやすい容姿で、変装していても意味がないと思うが、本人も分かっているようなのであえて言葉にはしない。


 尚人は「えっ!? か、BUSAのカズ!? 俺、大ファンです!」とぶーちゃんに握手を迫っている。とても見たことがあるこの光景を懐かしく思う。


 ぶーちゃんの分の日替わりコースも注文し終え、婚姻届けを見たぶーちゃんは「ええっ!?」と、ここ最近で一番大きな声が出たんじゃないかと思うくらいの声量を店内に響かせた。


 きっと頭の中がこんがらがってるであろうぶーちゃんに、「ああ、こいつ、和歌の元婚約者の尚人。因みに婚約破棄したの昨日な」と、なんともざっくりとした説明をする。


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