腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
とりあえず私物は全部詰めて、後から処分しよう。
暖から貰ったダンボールに私物を詰めていく。尚人の「実家に帰れ」という顔が、今でも昨日のように思い出される。
もう、このマンションに来るのはこれが今日で最後。
私を家政婦扱いしていた尚人にも、浮気相手にも後悔させてやりたい。
「――和歌、これ寝室にあったけど私物?」
暖の手元には、レースが可愛くて一目惚れしたピンクのカーディガン。
やっぱり。浮気相手は私の私物を勝手に使ってる。
触れたくもないけれど、暖からそっと受け取る。
「……ちゃんと直してたんだけどね。ありがとう」
「使われてたんだな。リビングと寝室には小型性防犯カメラ仕込んだぞ。念の為に盗聴器もぬいぐるみに差し込んだ」
「ありがとう。私も早く終わらせるね」
「俺も手伝う」
暖に手伝ってもらいながら、持ち出せなかった私物をダンボールへ詰め終え、私は尚人と住んでいる部屋から出る。