65リットルよりも、笑って。
「はは、とても珍しくて難しい名前をしているだろう?僕も最初は読めなかったんだ」
とか言っている渡会先生こそ、わりと珍しい名前をしていると思いますけど。
「彼は今年から入ったルーキーでね、期待の新人ってやつさ」
へー、まったく興味ないでーす。
見るからにまともな学歴を持って、でもそんなの結局は親の金でエリート街道を走ってるだけのいい気になってる人間だけは大嫌いでーす。
「…渡会先生。俺のことは今は関係ないかと」
「ああ、すまないね」
あれでイカルガとか、だれが読めるの書けるの。
漢字検定の資格を持っている人すら苦戦するんじゃない?
というか、明らかな先輩医師に対していっさいの表情すら変えないその態度。
相変わらずな男だなと、納得。
「それで、佐野さん。親御さんと連絡は取れそうかい?」
「…やっぱ、ぜったい呼ばなきゃダメなんですかね…?」
「うん。ぜったい呼んでもらわないと駄目です」