65リットルよりも、笑って。




できれば呼びたくない。


頑なにも呼ぼうとしない私に、渡会先生の隣に立つ“研修医”と表記された名札を取り付けた男は鋭く見つめてきた。


こんなことしてるあいだに命がなくなるかもしれないんでしょ。

わかってるってば。



「もしかして……ものすごい病気だったりしたんですか?なんだっけ、ええと…、指定難病、みたいな」



冗談のつもりだった。

「そうではないよ」を、期待した質問だった。



「…………」



この沈黙は嫌だな…。


だってさ、言って頭痛だよ?

ただの頭痛と、ちょっと物忘れがひどいかなーってくらい。

そんなの誰にでもあることだろうし、一時的なものだろうし。


だからわざわざ大学病院さんで診てもらう程のものじゃない。

が、先生は言葉を濁す以前に否定すらしなかった。



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