65リットルよりも、笑って。
『せんせー?も~先生ってば!…笑ってよ、泰斗くん』
どれくらい、どれくらい笑えばいいんだ。
なゆ、俺はどのくらい笑えばいい?
『んー、65リットル以上!』
65リットル…?
『そう。65リットルよりも、笑って』
握った手から、触れた頬から、俺の心に伝わってくる。
なゆ。
俺に幸せを見せてくれて、与えてくれて、ありがとう。
だいぶ生意気で、すべてを諦めた目をするときもあって、白紙の人生だの、パッとしない人生だのと言って陽気に笑っているくせ、強さも弱さも両方を持っていた。
それで笑った顔、すげえ可愛いんだよおまえ。
とくに俺は、おまえが俺をからかったときに笑う顔がいちばん好きだった。
いつの間にか目が離せなくなっていたのは俺のほうだ。
おまえの笑顔を忘れないためにも、今度は俺が笑うよ。