65リットルよりも、笑って。
白紙の人生
《お母さんから聞いたけど、本当なの?入院って》
《うん。本当だよー》
《学校はどうするの?いつ退院?大学病院って高くない?》
そんなにいっきに質問しないでよ春海お姉ちゃん。
それにメッセージって…、せめて電話を期待した私がばかだったみたい。
《学校は辞めるつもり。けっこう長引きそうでさ、行けそうになくて》
《え、今年卒業じゃん!もったいな!》
ポンッと、可愛いスタンプでも送っとく。
こういうときにスタンプは買っておいて正解だ。
春海お姉ちゃんには詳しいことは言わないでと、そうおばさんにお願いしたのは私だった。
胃腸炎とか盲腸とか肺炎とか、適当なこと言っておいてって。
「……私ですら実感ないんだから」
────余命1年だなんて。
さっきだよ?
ついさっき、自分の人生の終わりを他者から告げられたばかり。
用意された部屋は4階の個室、409号室。