65リットルよりも、笑って。




9って数字は見ていてモヤモヤする。
後にも先にも行けない感じが。

だったら0に戻してくれたほうがいい。



『余命というのは多めに見ていることがほとんどです。3ヶ月だった場合は最初の1ヶ月が山場であり、1年となると……早くて半年です』



私の主治医らしき渡会先生は、ゆっくりと落ち着いてこと細かく説明してくれた。


ドラマくらいでしか見たことがないし聞いたことないよ、余命なんか。

本当にあるんだ…ってのが正直な感想。


だって私、生きてるもん今。


寝たきりとかじゃないし、週明けも普通に学校へ行くものだと思っていた。

そんなこと言われなかったら、今日病院に行かなかったら、変わらない毎日だったというのに。



「抗がん剤治療と放射線治療…かあ。ふっ、なにそれ」



さっそく明日、今日以上の精密検査が待っている。


いやだな。

抗がん剤治療って、よく髪の毛とか抜け落ちるやつだよね。

学校を辞めることを決めたひとつの理由は、それ。


今日から自室となったベッドの上、天井を見つめていると、ドアが忙しく開いた。



< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop