65リットルよりも、笑って。
「どこか動かしにくい場所だったり、動かしたとき違和感がある場所はあるかな?」
「まだ…今のところは」
「じゃあ、手がしびれるとか」
「あー…、それはたまにというか、しょっちゅう」
「…言葉はわかる?僕の言葉が理解できなかったり、話しづらいとかはある?」
「それもないですねえ、まだ」
「ん、了解だよ。これから佐野さんのペースで無理せずリハビリを一緒にしていこう。紹介が遅れましたが僕はPT…、理学療法士の佐藤(さとう)といいます」
「……よろしくどうぞ」
私にできた脳腫瘍の場合、身体には転移していないことから体重減少だったりは起きていないっぽくて。
ただ、視力検査なんかはもうやる意味なんかないんじゃないのってくらい、二重に見えて仕方がなかった。
翌日の精密検査はまず、そんな基本的な身体測定から。
リハビリ担当のお兄さんが爽やかイケメンじゃなかったら、とりあえずボイコットしているところだった。