65リットルよりも、笑って。
「……やっぱタイト、やだ」
「は…?」
「タイト固い!オレはクルミせんせーじゃないと元気でない!!」
「………くるみ、頼んだ」
「えっ、わっ、」
男の腕から女の腕へと。
譲りわたった少年は看護師の胸に顔を埋めてすりすりと心地よさそうにしていた。
それにしても“くるみ”って、若い看護師のことは名前で呼ぶんだ……このひと。
「蓮夜くん、お部屋で一緒に絵を描こうね」
「うんっ!………、」
「蓮夜くん?」
すると、なぜか私のことをじーっと見てくる。
子供に免疫がない私は、とりあえずぎこちなく骨格を引き上げておいた。
「ん…?」
そして男の子は今度、若い看護師の腕から軽やかに降りては私のもとへ。
「おねーちゃん、だっこ」
「え、私?」
「うん。だめ?」
「………いい、けど」