65リットルよりも、笑って。




「蓮夜(れんや)……!」


「蓮夜くん……!!」



転んだ少年を、斑鳩先生と追いかけていた看護師は同じ形相をして声を上げた。


たったそれだけで、あの子も大きな病を抱えているんだと。

ニット帽の下は、私も近いうち嫌でも経験するものだということが分かった。



「へっ、へーきだし!オレ男だしっ、ぜんぜん痛く……うわぁぁぁんっ、いたいよぉぉぉっ、タイトここ擦りむけたっ、見て見てっ、血が出てるっ!」


「大丈夫だ、血までは出てない。どこか他に痛む場所はあるか?」


「…ううん…、みて、これ見て、ここね?」



なんで見せたがってんの…。


ただ、微笑ましく笑うことだけはできそうにない。

それは若い医者たちが額に汗を垂らすほど真剣な顔つきだったからだ。



「タイト、だっこ」



どこか青白い肌色と、実年齢より幼く見える少年をすぐに抱き上げた斑鳩 泰斗。


彼が力持ちなんじゃなく、蓮夜が細すぎるんだ。

子供だからという理由以上に病的だろう細さは、治る見込みのあるものなのだろうか。



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