65リットルよりも、笑って。
小さなヒーロー




「なゆちゃん、よかったら私とお散歩しない?すごくいい天気だよ今日も」


「……いい」


「そうだ、ケーキは好き?近くのケーキ屋さんに美味しそうなオリジナルケーキがあってね、独り占めしようと思ってたんだけど───」


「いらないって言ってるじゃん!!!」


「……うん。今のは私がしつこかったね。ごめんね」



ちがう、ちがうの。
ごめん、そうじゃない。


間宮さんはずっと私のためを思って言ってくれていることは知ってる。

だから強く言うつもりなかった。


ベッドの上、布団にまるまって背中を向ける私に、いつも姉のように接してくれる看護師は今日も優しくめげずに話しかけ続けてくれていた。



「私ね、なゆちゃん。中学生の頃…、ひょんなことがきっかけで女の子たちから仲間外れにされちゃったことがあったの」


「…………」


「それまで仲良くしていた友達からも“ブス”とか“キモい”とか言われて、…一時期ね、教室に入れなかった」



保健室登校してたんだ───と、間宮さんは穏やかに語り始める。



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