65リットルよりも、笑って。
それもこれも私のせいだ。
私が、怖じ気づいたから。
一昨日、抗がん剤治療を「いやだ」と断ってしまった。
いざ投与する直前になって「やりたくない」と暴れてしまったのだ。
それからずっと、こんな感じ。
「そのとき、おなじように保健室登校をしていた隣クラスの男の子がいて。…その子もクラスメイトたちからいじめられている男の子でね」
「…うん」
「いろいろ話して、意気投合して、私はその子のことを……好きになった」
きっとその男の子だって、間宮さんのことが好きだったよ。
話を聞いているだけの私が分かっちゃうくらいなんだから、これは素敵な恋愛物語を聞かせられているんだ。
「…付き合ったんでしょ?」
少しだけ布団から顔を向けてみた。
そんな私に、間宮さんは切なそうに微笑んでから首を横に振る。
「振られたわ。私とは付き合えないって、バッサリね」
「えっ、なんでよ!」
「私も何度も何度も思った。だったらどうしてあんなに思わせぶりな態度をしたのって、あんなに楽しそうにしてくれたのって」