家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
能力
ここはタリタリン王国にある一番大きな街、リファソン。
レンガ作りの家々が立ち並び、街の中央にはシンボルとなる大広場がある。

「ソフィア、こっちこっち!」
金色の髪の毛を揺らして姉のイザベラが手招きをする。

名前を呼ばれた8歳のソフィアも姉と同じ金色の髪の毛をしていて、青い目を持っている。
違うのはイザベラは元々パーマのかかったふわりとした毛質をしている一方、ソフィアはまっすぐストレートなところだった。

10歳のイザベラに手招きされて8歳のソフィアが庭へと駆け出していく。
そこにはハンモックが気から来へと渡されており、今しがた両親に片付けるように言われたところだった。

「待ってよイザベラ!」
「これを片付けないとパパママに怒られちゃうのよソフィア。だけど紐が木に高く結んであってなかなかほどけないの」

イザベラが困ったように肩をすくめてみせた。
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