家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる
家族の一員として、この家にいたかった。
だからこのときのソフィアは本当に気まぐれをおこしたとしか言いようがなかった。

家の中に残っているのは自分とマルクのふたりだけ。
家族は全員パーティーに出かけて、使用人のエミリーは夕方になる前には帰っていった。

そのことを思い、マルクへ視線を向ける。
マルクは午前中に十分な居眠りをしたせいで、今は本を読んでいる。

どうせなら今眠っていてほしかった。
そう思いながらソフィアは鉄格子へと近づいた。

マルクはいつものように鉄格子を背もたれにして本を読んでいるから、ここから見ると頭をたれて眠っているようにも見える。
だけどマルクは眠りだすとすぐに大きなイビキをかきはじめるから、今起きていることは確実だった。
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