傷心した私が一夜を共にしたのはエリート俺様同期~いつも言い合いばかりだったのに、独占欲強め、嫉妬心剥き出しな程に溺愛してくるのですが?~
「……ん、……」

 肌寒さでふと目を覚ました私は、重い瞼をゆっくり開ける。

「……あれ? 私……」

 いつの間にか眠ってしまったんだ、そう思いながら身体を起こして目を擦り、徐々に視界がクリアになっていくさ中、見慣れない部屋の感じに一瞬目を疑った。

「え? ここ、どこ?」

 というかそもそも、何故私は部屋の中に居るのだろうか。最後の記憶を辿ると確か、一之瀬と居酒屋に居たはずなのに。

 半ばパニックになりかけている中、横から微かに「……んん」という声が聞こえて来た事で我に返った私が声のした方へ視線を向けると、

「い、一之瀬……? 何で!?」

 何故か隣に一之瀬が眠っていた。

 そして、

「嘘……でしょ?」

 再び肌寒さを感じて自分の身体に目を向けると、下着だけを身に付けた姿だった。

(え? 何? 一体……何がどうなってるの!?)

 床には自分で脱ぎ捨てたのか脱がされたのか分からない、着ていたはずの服が散らばっている。

 辺りを見回すと、ここはホテル……では無いようで、部屋の生活感から察するに一之瀬の部屋のようだった。

(え……、もしかして……私、一之瀬と、しちゃった?)

 もう一度記憶を辿ってみても、思い出すのは居酒屋に居た部分までで、それ以降の記憶は全く無い。

 この状況をどうすればいいのか悩んでいると、

「……本條……」
「い、ちのせ……お、おはよう……」
「……ああ、おはよ」

 特に動じていない一之瀬が目を覚まし、挨拶を交わす。

「あの、一之瀬……これは、一体?」

 何故そんなに普通にしていられるのか分からないけど、ここは冷静にいこうと恐る恐るこうなった経緯を尋ねてみると、

「お前、何も覚えてねぇの?」

 頭を掻きながら身体を起こし、ベッドを降りた一之瀬もまた下着だけを身につけていて、床に落ちているズボンを手にするとそれを穿きながら問い掛けてきた。
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