さよなら尾崎くん
雄弁に語った尾崎君は、恐れもせずに公園の敷地内に脚を踏み入れた。僕の見立てだと、そこからが現世と霊界の境界線だと感じて、絶対に入らなかった場所だ。思わぬ行動に言葉を失い、慌てて制止しようとしたその時、すぐに四体の幽霊が現れて、あっという間に尾崎君を取り囲んだ。
腐乱して白骨化しかかっている男、背中に包丁が刺さった血まみれの女、疫病に侵された斑紋だらけの男、激しい切創により腹から腸が露出した女。それらが息が届くほどの距離で、彼を凝視しているのだ。どう見ても危険な状況だ。僕は出来る限り大声で叫べるよう、精一杯に息を吸い込んだ。しかし、先に声を発したのは恵の方だった。