トップアイドルの恋 Season2〜想いを遂げるその日まで〜
第三章 結婚パーティー
「富田さん、紗季さん。ご結婚…」
「おめでとうございまーす!」

直哉の音頭に合わせて皆は一斉にクラッカーを鳴らす。

「ありがとう、みんな」

並んで微笑み合う富田と紗季は、幸せそうに見えるがどこか控えめだった。

「ごめんな。トップアイドルのみんなが色んなことを我慢して頑張ってるのに、一番そばで支えなきゃいけない立場の俺が結婚なんて」

うつむき加減の富田と紗季を、直哉が明るく笑い飛ばす。

「なーに言ってんですか!俺達がお二人の幸せを喜べないとでも?めちゃくちゃ嬉しいですよ!」
「そうですよ。それに私達がきっかけでお二人は知り合ったんですよね?それもなんだか嬉しい!」

そう言ってあみもとびきりの笑顔を向けた。

クリスマスの歌番組も無事に終え、年内の収録やリハーサルなどの全ての仕事納めとなったこの日の夜。

コットンキャンディとサザンクロスのメンバーが集まり、富田と紗季の結婚を祝うパーティーが開かれていた。

広いパーティールームを貸し切って、一年のお疲れ様会も兼ねて盛り上がる。
明日からわずかながら休みになる為、皆リラックスして食事やお酒を楽しんでいた。

「ええ?!5年間もつき合ってたんですか?全然気づかなかった」
「本当。デートとかしてたんですか?」

皆はまず二人に聞きたかったことを質問する。

「うん、その。デートらしいデートはしてないかな?職場で会うくらいで」
「ホントに?富田さん、そんなんでよく紗季さんからプロポーズのOKもらえましたね」
「そうですよ。これからはちゃんとデートしてくださいね。あ、もう一緒に住んでるんですか?」
「いや、まだ…」

歯切れが悪い二人は、どうやらまだメンバーに気を遣っているようだった。

そんな雰囲気を察して、りなと直哉が目配せする。

「それではここからは、我々サザンクロスとコットンキャンディのオンステージ!富田さんと紗季さんのお二人に贈る今宵限りのプレミアムショーをお楽しみください!」
「…は?」

ポカンとする二人を尻目に、皆は一斉に動き出す。

まずは優子が照明とBGMを絞って、陽子がスクリーンに映像を流し始めた。
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