天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

虐げられた花嫁

 後頭部に衝撃を受け、そこから黒い固まりが崩れ落ちた。

「痛っ……」

 頭を触ると、ざらざらとした感触が指先につく。それを顔の前に持ってくると、手に泥砂がべっとりとついていた。

(またか……)

 頭にぶつけられた固まりが、泥団子であったことが判明してため息をつく。

 私、董(とう) 華蓮(かれん)は、どうやら見た目が目立つらしい。のどかな田畑の風景とは馴染んでいないなと自分でも思う。

 でも、それは仕方のないこと。元は後宮妃だったので、華やかな宮殿にいる方が肌になじむ。それが、彼らには癪に障るのだろう。

生まれが違うのだからどうしようもないと思うのだけれど、そうやって割り切ってしまうところも私が嫌われる原因だ。

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